【コラム】第3回〈打撲〉その2
第2回のコラムのその後です。
お尻
『「打撲」の本当のコワさは、「痛み」ではない』
どこかを打ったりした場合、「痛み」があればそれはそうあとあとまで
引きずるようなことはありません。
(もちろん、大きな事故の場合は、また別ですよ)
その打った部分が擦りむいていたり、腫れていたりすることもなく
何となく奥の方にシコリのようなものを感じる……
こういう場合が、もっとも警戒が必要なのです。
その最も警戒すべき場所は、やはり
頭
そして、意外かもしれませんが
お尻
です。
「お尻が何で?」
「やだ〜、ワタシよく打つのに…」
と思われるかもしれませんが、お尻でもお肉の多い部分なら
そこまで心配しなくてもいいです。
心配なのはど真ん中。
つまり尾てい骨です。
昔「尾てい骨を打って小児マヒになる」なんてことを聞きませんでしたか?
転んだりして打ったことがある方ならわかるかもしれませんが、お尻打って
ビビ〜〜ンと頭の芯までシビレるようなことがあります。
そうなった時は尾てい骨がダメージを負った、ということです。
そしてそのダメージは、そのまま脳まで通じてしまう、ということです。
身体均整法では、尾てい骨の付き方や角度、向きなどで身体のバランスを
とるような方法もありますが、それはそれだけこの骨が
全身に影響力があるということの裏付けともいえますね。
では、もしそうなった時どうすればいいか?
これは「打撲」全般にいえることですが、どこかを強く打ったら
その後3日くらいは、風呂に入らないことです。
これは誰でもできる、ダメージを最小に防ぐ方法です。
あとは眼を温める、おなかの冷えたところを温めるなど、その時々で
適した対処をしていくことになります。
さて、Aさんは…
Aさんが、先日来訪されました。
その前日に、仕事に行かれたそうです。
Aさんは、現場でしゃがんだり脚立に登ったりする仕事をされているのですが
それもできず、歩いているだけでも腰に痛みがくるような状況でした。
仕事をしたくてもできない…これはけっこうなストレスですよね。
でも切り替えのできるAさんは、それでも今の状況を冷静にわかっておられる
から、そういう意味ではあまり心配はないようです。
さて、肝腎の脚は、というと…
曲げ伸ばし自体は、スムーズとはいえないまでも何とか以前よりは格段に
よくなってはいました。
とはいえ、依然痛みはあるし、奥に硬直もあります。
ただ、私は「よっしや‼」と思いました。
なぜかといえば、その「痛み」が表面に浮いてきたからです。
膝裏の硬直も、だいぶ柔らかくはなってきていますし、もう心配は
ありません。
膝関節の動きをムリのないようによくして、あおりをうけて痛む腰の
バランスをよくしておく。
そして下腹部の弾力が回復したのを確認しました。
まあしばらくは引きずるでしょうが、その後どうこうというのは
整体的観点ではこれで心配ないでしょう。
引きずる脚を観ながら、私は「ホッ」と胸を撫で下ろしました。
「……ん?ちょっと待って。どうしてひきずったままでホッとするの?」
「そんなのヘン」
そうですね。
普通に考えれば、たぶんそうだと思います。
でも、これでいいのです。
最終的に大事なのは………
「整体」をしていくうえで重要なことは、いたずらに目先の「症状」を
どうこうしていくことではありません。
これは10年以上人の身体に触れ、調整してきた実感からいえます。
わかりやすいところでは「肩こり」。
たとえば
で紹介されているように直接の原因は「筋肉の酸素不足と老廃物の蓄積」なのかもしれません。
ですが、その大元にはもっと深い原因があるということも指摘されていますね。
「精神的ストレス」「冷え」「眼の疲れ」……こういったもろもろが結果として「肩こり」
という「症状」へとつながっています。
そうすると、単に「コリ」をゆるめただけでは…。
「その場の癒し」としては、いいのかもしれません。
整体的観点でいえば、「肩こり」はひとつのバロメーター。
その「コリ」が示す意味は、とても幅広く、奥行きも深いものがあります。
これについてはその折々に紹介していきますが、ここで重要なのは
最終的に大事なことは何か?
という地点から、身体を考えていくことです。
「おいおい、メンドくさいなそういうの」
「ただ単に楽にしてくれりゃいいだけなんだよ、こっちは」
と言われそうですが、そう考えられる方には確かに合わないかも
しれませんね。
私は「整体」が扱っているのは「身体」であって「身体」でない
と思っているので、こういう発想になるのかもしれません。
Aさんの場合でいえば、最終的に大事なのは「ダメージを最小限に抑えること」。
硬直を奥に潜ませたまま表面の「痛み」をどうこうするのでは、私としては
片手落ちなのです。
「もうあのレベルまでいけば、あとはカラダがやってくれる…」
そういう見極めがついたからこそ「ホッ」としたんですね。
目先の「症状」にとらわれてしまうと、本当に大事なことを見落としてしまう
ことになってしまいます。
「とりあえず楽になればいい」「軽くなればいい」
こういう地点から少し離れたところに、【TAMURATIC】の「整体」は
ポジションを置いてあります。
