体調不良のメカニズムvol.1

ゆがみのメカニズム
たとえば、ホースで水をまく際に、そのホースがねじれるととたんに水の出は悪くなりますね?
このホースを、ここでは「血管」にたとえてみましょう。
「ホース(血管)」は、ねじれたままだとどうなるでしょうか?
……水(血)の流れが悪くなりますよね?
そうすると人はどうなるかというと……そう、具合が悪くなります。
逆にいえば、「具合の悪い身体は、ゆがんでいる」ということです。
「ゆがみ」を整えるというのは、このようにねじれたホースを正常にすること、といえばよいのかもしれません。
この「ゆがみ」にも、実はいくつかの段階があります。
身体は、ホースを戻すほどには、カンタンにはいかないものです。
(参考・均整術の極意 東京均整学院・均整指導教室 刊)
この図のように進行していくと、「ゆがみ」をテーマとする日本の伝統的な、いくつかの整体では考えています。
この考え方でいえば、まず最初のA、Bあたりでねじれたホースを正常にしておけば、大きな事態にはなりません。
ですが、だいたい本格的に「具合が悪い」と感じるのはBからCへの移行期あたり。
まだC、つまり「働きの異常」あたりまでなら、ホースに傷はついておらず、少々時間をかければ問題は大きくなりません。
ただ、Dの組織細胞の破壊、ここまで進んでいるとホースでいえば腐っていたり、穴が開いていたりということを意味しますから……病院の検査で「異常」と診断され、即ベッド行きとなることになります。
そうなる前に何とかする、またはそうならないような自分でいる、そういう叡智ある技術体系が本来の整体にはあります。
こう考えていくと、「ゆがみ」というのはあなたのいまの心身の状況を示す、カラダからの貴重なシグナルとはいえないでしょうか?
「でも、どうやったらゆがみがわかるの?」と思われたかもしれません。
その目安として、「ゆがみ」をパターン化した「12種体型」は役立ちます。
「いつも右肩(左肩)が下がってる」
「なんだか身体がねじれてる感じ」
「気がつくと、下向いてるんだよね〜」
そういう何気ない姿勢(クセ)が、「ゆがみ」のサインです。
なぜ「ゆがみ」が起きるの?
これについては、上のゆがみのステップの概念を提唱された操体法という手法の創始者である、橋本敬三先生(故人)のことばをまとめると、
「人間には生き方の自然法則があり、最小限の責任生活がある。それを間違うと身体はゆがみ、病気になる」
といわれています。
最小限の責任生活とは
「息(深く安らかな呼吸)」
「食(人間の自然に沿った食物摂取)」
「動(生理構造に合った身体の使い方)」
「想(自然の恵みへの感謝)」
であり、それらの背景にある「環境(との調和)」をさしています。
「アクセクして、浅い呼吸」が続けばゆがむし、
「食べたいものを欲まかせで食べる」ことでもゆがむし、
「構造を無視した動き方」をしていてもゆがむし、
「感謝もせず、好きなことだけ考えていても」ゆがみます。
「ゆがみたくない」
もしあなたがこう思うのでしたら、スポーツジムや健康食品を頼る前に、まずは日常から見直す必要がある、ということですね。
「ゆがむ」のは、ゆがむなりのワケがある。
「ゆがむこと=悪いこと」という見方をして、姿勢や歩き方をいちいち心配しているよりは、「ゆがみ」をいまの自分を知るヒントとして活用する……そういう見方でいる方が、ずっと身も心も軽くなるとは思いませんか?
東洋(中国)医学的な「病因」メカニズム
東洋医学では、以下のように「外因」「内因」「不内外因」と3つに分類しています。

「外因」とは主として人体の外にあって病気の原因となるもの。
「内因」とは主として人体の中にあって、病気の原因となるもの。
「不内外因」とはそれ以外の原因をさしています。
六淫とは?
「風・寒・暑・湿・燥・火」という自然界の気候要素をふつう「六気」といい、その「六気」が病気の発生原因となった場合のことを「六淫」といいます。
それぞれの要素をカンタンに説明すると
「風邪(ふうじゃ)」は春に多く、くしゃみ、咳、鼻づまりなど。
「寒邪」は冬に多く、悪寒、発熱、足腰の冷えなど。
「暑邪」は夏に多く、口の乾き、イライラ、熱など。
「湿邪」は梅雨に多く、食欲不振、消化不良、関節の痛みなど。
「燥邪」は冬、秋に多く、鼻孔乾燥、鼻出血、口の乾きなど。
「火邪」は夏に多く、顔面紅潮、目や舌や尿が赤くなるなど。
ここで誤解してはいけないのは、夏だから「寒邪」にはならない、冬だから「火邪」は関係ないということではありません。
現代は冷暖房もあれば除湿もできる時代。
また、生活環境はグッと便利になっている反面として、カラダは季節に順応しにくくなっています。
そういう面からいえば、「六淫」との関係も複雑になっているといえるでしょう。
癘気(れいき)とは?
世間に広く流行している疾病の原因。
コレラ、マラリアなどの病原体をさす。
現代ではスモッグ、排気ガス、化学物質なども含んだ概念と考えていいでしょう。
七情とは?
七情とは、精神的・感情的な影響をいい、「喜・怒・憂・思・悲・恐・驚」の七つをいいます。
突然激しい精神的・感情的な上がり下がりがあったり、長期間にわたりその影響が続くと、それはストレスとなり心身に影響します(これを内傷ともいいます)。
東洋医学の古典・内経では、この七情と五臓の関係を次のように説明しています。
「喜は心を傷(やぶ)り、怒は肝を傷り、思は脾を傷り、憂は肺は傷り、恐は腎を傷り」
たとえば「喜」はプラス要素ばかりだとふつうは考えるが、それも過度であれば「心」を傷つけてしまう。
何事もほどほどがいいと、この考え方は教えているようです。
また、同じく内経では

「怒れば気は上がり、恐れれば気は下がり、喜べば気はゆるみ、驚けば気は乱れ、悲しめば気は消え、思わば気は気は結し(固まる)、憂えば気は縮む」
と、このように七情と気の関連を述べています。
飲食
暴飲暴食、不潔で雑菌が多いと下痢を起こす、生で未熟なものは胃腸を傷つける、偏食、飲酒などへの注意事項。
疲労
働かず安逸をむさぼりすぎると血脈が淀むし、過労も体力や気力を奪い、内臓を傷める。
房室不節制
セックスの過多は、精気を奪い、虚弱になる。
寝汗や動悸、膝の痛み、不正出血、生理の不順など。
創傷・虫獣障害
創傷は、刃物や銃弾など、外からの傷をいう(その傷からの菌障害もふくむ)。
出血、打撲、骨折など。
虫獣障害は、狂犬病や毒蛇など。
虫積・中毒
虫積とは、寄生虫のついた野菜などを食べた際に起きる病気のことで、中毒とは、有害物質を内服した際に起きる病気をいいます。
現代でいえば、薬や食品添加物、甘いものなど全般。
遺伝
父母および祖先からひきつぐ病的要素はある。
しかしそれらが発病に結びつくかどうかは決定事項ではなく、後天的に操作可能である。
(以上、参考は『図説 東洋医学〈基礎編〉』 学研 刊)
人が体調不良になる理由は、このようにいろいろあります。
「内因」「外因」「不内外因」……こういった因子を、人はそれぞれのもって生まれた先天的な素質、体質、体力、また生まれてから育まれた後天的な体質、体力の度合いよって、また感受性傾向のあり方によって、さまざまな形態の体調不良へとつなげていくことになります。
さて、ではこれだけか、というと……
続きは「その2」にて。

